私のところには、「病院で自律神経失調症と言われました」という方が数多く来られます。
しかし詳しくお話を伺うと、自律神経が何なのかよく分からないまま、不安を抱えている方も少なくありません。
自律神経は身体の自動運転システムです
自律神経は、交感神経と副交感神経という二つの神経から成り立っています。
交感神経は身体を活動的にする神経、副交感神経は身体を休ませる神経です。
私は患者さんに説明するとき、「自律神経は身体の自動運転システムのようなもの」とお話ししています。
私たちは、自分の意志で心臓を動かしたり、胃液を分泌したり、腸を動かしたりすることはできません。
呼吸や発汗、体温調節なども、多くは無意識のうちに行われています。
こうした生命維持に必要な働きを、24時間休まず調整しているのが自律神経です。
自律神経失調症はなぜ起こるのでしょうか?
自律神経失調症とは、自律神経の働きのバランスが崩れ、さまざまな不調が現れている状態です。
では、なぜ自律神経は乱れてしまうのでしょうか。
私は日々の診療の中で、大きく3つの要因が関係していると考えています。
もちろん、実際には一つだけでなく、複数の要因が重なっていることも少なくありません。
1. 精神的な要因
精神的なストレスは、自律神経に大きな影響を与えます。
たとえば、
などの強いストレスです。
また、
のように、長く続くストレスも自律神経のバランスを崩す原因になります。
2. ホルモンバランスの変化
ホルモンの変化も、自律神経に大きく影響します。
代表的なのは更年期です。
女性ホルモンが大きく変化することで、
などの症状が現れることがあります。
また、
なども、ホルモンバランスが大きく変化する時期です。
3. 身体的な要因
身体への負担も、自律神経の乱れにつながることがあります。
たとえば、
などです。
私は臨床の中で、特に首の状態を重視しています。
首は頭を支えるだけでなく、脳と身体をつなぐ重要な場所です。
首や肩の強い緊張が続いている方に、
などの自律神経症状がみられるケースを多く経験してきました。
首と自律神経の関係については現在も研究を進めています。
まとめ
自律神経失調症は、一つの原因だけで起こるものではありません。
精神的なストレス、ホルモンバランスの変化、身体的な負担などが重なり合って現れることも少なくありません。
そのため改善を目指すには、一つの要因だけを見るのではなく、身体全体の状態を丁寧に確認することが大切だと考えています。